怒りを適切にマネジメントする方法を学び職場での好ましい人間関係を構築する
こんなお悩みがありませんか?
✓ 怒りの感情が職場の雰囲気やチームワークに悪影響を与えている
✓ ハラスメントなどで、法的な問題や企業イメージ損失の懸念がある
✓ マネージャーやリーダー層が感情的になりやすく、メンバーの意欲に悪影響を与えている
✓ 怒りによるストレスが原因で、社員の集中力や生産性が低下している
✓ ストレスや人間関係のイライラが、社員のメンタルヘルスに悪影響を及ぼしている
アンガーマネージメントとは?
アンガーマネジメントとは、「怒り」の感情を適切に扱う技術です。名前の通り『anger(怒り)をmanagement(管理する)』技術で、1970年代にアメリカで提唱されたのが始まりです。もともとはアンガーコントロールと呼ばれていましたが、その後、怒りは「コントロールする」のではなく、「うまく付き合う・管理する」と捉えたほうが適切として、アンガーマネジメントと呼ばれるようになりました。
アンガーマネジメントは近年の職場において、パワハラ防止や職場雰囲気の改善といったテーマとして、また最近の若者の価値観に合わせた人材育成の手段として、多くの注目を集めているスキルです。
アンガーマネジメントのスキルを身に付けるメリット
アンガーマネージメントのスキルを身に付けると、どのようなメリットがあるでしょうか。企業にとってのメリット、個人のメリット、それぞれを確認します。
企業のメリット
パワーハラスメントが起きにくい職場になる
近年、職場の課題としてパワーハラスメント(パワハラ)が取り沙汰されるケースが増えています。パワハラへの対処と取り組みは、一定規模以上の企業には義務化されており、ハラスメント研修を実施している会社も多いでしょう。しかし、ハラスメント研修だけでは効果が限定的な場合もあります。なぜなら、パワハラ行為をする上司や管理職の多くが、『怒り』を適切にマネジメントできずにいることも多いからです。つまり、「分かってはいるけど怒りを抑えきれない」状態です。
パワハラのない職場を実現するためには、「パワハラをしてはいけないという自覚」を持たせるハラスメント研修と同時に、「アンガーマネジメントのスキル」を身に付けることが効果的です。アンガーマネージメントのスキルを身に付けることで、怒りや苛立ちに対して適切な対処が取れるようになり、結果として、職場でのパワハラ減少につながるでしょう。
離職率を下げられる
労働人口の減少によって採用難と人材不足が続く中、従業員の離職は現場を悩ませる大きな課題となっています。
従業員が離職する要因のひとつに、「人間関係への不満」が挙げられます。例えば、何かあるとすぐに部下に八つ当たりをする上司、あるいはパワハラが横行する職場、こうした環境で離職率が高いのは、ある意味で当然のことです。
管理職がアンガーマネジメントを身に付けることによって、『怒り』が起点となったコミュニケーション、パワハラや理不尽な叱責がなくれば職場環境のネガティブ要素は減少します。結果として離職率の低下にもつながるでしょう。
組織の多様性、ダイバーシティを促進する
近年、多様な人材を採用するダイバーシティーの動きが加速しています。多様な人材・多様な価値観の存在は、議論や意思決定の視点を豊かにし、意思決定の質を向上する上で効果を発揮します。一方で、ダイバーシティーの促進は、組織内に異なる価値観を持った人が増えることでもあります。こうした状態は、社員、またマネジメント層にとって今まで以上にストレスを生み出す側面もあります。
ダイバーシティーからプラスの効果を得るためにも、今後のマネジメント層はアンガーマネジメントのスキル、また異なる価値観や視点から相乗効果を生み出すスキルを身に付ける必要があります。
生産性、業績向上につながる
生産性向上のためには、社員が業務に集中できる職場環境が不可欠です。パワハラや感情的なコミュニケーションによる人間関係のトラブルやストレスは集中を阻害する大きな要因です。モチベーションを「上げる」施策を実行する前に、「下げる」要因を減らす要因を減らすことが肝心です。
また、コミュニケーションが円滑になることで、部下が些細なことでも上司に相談するようになったり、社員同士で情報共有をする環境が自然と生まれたりすることも期待できます。結果として、職場全体での一体感やモチベーションが向上し、業績アップにも寄与するでしょう。
個人のメリット
心身の健康を保ちやすくなる
強い『怒り』をずっと抱えたままでいると、私たちの体内ではノルアドレナリンの分泌量が増え、交感神経が優位な状態が続きます。そうすると、心身と精神面に以下のような悪影響が生じることになります。
・身体面:心疾患、高血圧、過敏性腸症候群 等
・精神面:覚醒や興奮(プラス作用)、恐怖や不安(マイナス作用)
怒りが長期間続くと、自律神経の乱れや血圧上昇といった健康被害も懸念されます。アンガーマネジメントによって怒りをコントロールできるようになることで、怒りの感情を原因とする健康被害が減り、心身の健康を保ちやすくなります。
パフォーマンスを安定して発揮できるようになる
『怒り』によって起きる心身の不調は、仕事のモチベーションや業務効率も低下させます。アンガーマネジメントによって、ネガティブな感情を適切に対処できるようになれば、自分の能力を安定して発揮できるようになります。
安定したパフォーマンスを保つことができれば、周囲からの評価にもつながり、待遇や昇格、職場での過ごしやすさにもつながってくるでしょう。
アンガーマネージメント研修が注目される背景と研修が必要な対象者
アンガーマネージメントの技術を、組織・個人が体系的に習得するためのプログラムが「アンガーマネジメント研修」です。アンガーマネージメント研修が注目されている背景、および研修の主な対象者を解説します。
アンガーマネジメント研修が注目されている背景
アンガーマネージメント研修が注目される背景は大きく2つあります。
1つ目は、職場のストレスと対人関係の問題が増加していることです。昨今は、企業間競争とテクノロジーが進歩する中で、社員には今まで以上にソリューション提案やイノベーション創出、チームでの協働などの高度な知識労働、また、感情労働が求められています。コミュニケーションがや協働が増えると、相性やすれ違い、誤解によるストレスや怒りも増加する懸念があります。怒りは人間が持つ自然な感情ですが、適切にコントロールできないと、業務の効率や人間関係に悪影響を及ぼす大きな要因となります。
2つ目は、ストレスやメンタルを管理することの重要性がより高まっていることです。仕事観の変化、また働き方改革やリモートワークの普及によって、職場環境や価値観が多様化する中で、ストレスやフラストレーションを抱える社員が増えています。こうした背景もあり、企業は従業員のメンタルヘルスを守る施策を講じることが必要になりました。従業員のストレスやメンタルケア対策が組織に求められるようになったことも、アンガーマネージメント研修が注目を集める大きな要因の1つと言えます。
アンガーマネジメント研修の主な対象者
・部下やメンバーのいる管理職やリーダー層
・感情を適切にコントロールしてパフォーマンスを向上させたい社員
・対人ストレスの溜まりやすい接客や営業職
・パワハラを懸念して思うように部下指導できずにいる管理職
・感情労働が求められるホスピタリティ産業の従事者
ジェイックのアンガーマネージメント研修の特徴
当サイトを運営する株式会社ジェイックは、リーダーシップや対人コミュニケーションといった、ヒューマンスキルに働きかける研修サービスを得意とした教育研修会社です。ジェイックでは、法人向けにアンガーマネージメント研修プログラムも提供しています。
以下、ジェイックが提供するアンガーマネージメント研修の特徴を3つ紹介します。
「 怒り」のメカニズム理解
「怒り」は、自分自身や他者に対する不満や不公平感、脅威や侵害などを感じたときに生じる感情です。ジェイックのアンガーマネージメント研修では、理論に基づいた「怒り」のメカニズムを理解することで、自分の感情や行動の原因や影響を客観的に分析できるようになります。
また、怒りの種類や程度、表現方法などについても学びます。これにより、自分や他者の怒りに対して、適切な対応や解決策を取れるようになります 。
怒りを引き起こす自分のパターン認識とセルフコントロールの技術
怒りの感情は、単に外的な状況や出来事によってのみ引き起こされるのではなく、その状況や出来事に対する自分の思考や解釈にも強く影響されます。例えば、「自分は常に完璧でなければならない」「他人は自分の期待通りに行動しなければならない」といった思考パターンは、怒りやイライラを引き起こすトリガーになりやすいでしょう。
ジェイックのアンガーマネジメント研修では、こうした怒りを引き起こす自分の特徴的な思考パターンを認識し、それが自分の感情や行動にどう影響するかを理解する演習を設けています。トレーニングを通じて、受講者は、目の前の状況に対して適切な思考パターンを選択できるようになります。また、怒りの感情が高まったときに備えて、自分の態度や行動を適切にマネジメントするするための技術や方法についても学んでいきます。
実際の職場での実践を想定したケーススタディとグループディスカッション
理論や技術を学ぶだけでは、アンガーマネジメントの実践には不十分です。実際の職場の雰囲気や人間関係を踏まえて、効果的に活用できるかどうかが重要となります。研修では、実際の職場でよくあるケーススタディを基に、グループディスカッションを行います。例えば、怒りっぽい上司やクレームの多い顧客といった様々な相手との関係において。怒りの発生、及びその対処法を身に付けます。
また、グループディスカッションでは、ケーススタディの中で、自分の感情や行動、相手の感情や行動、状況や結果などについて、他の受講者と意見交換や情報共有を行います。これにより、自分の感情や行動の影響や結果を客観的に評価できるようになります。また、他の受講者の感情や行動の理解や共感、協力や支援をするためのアプローチも掴めるでしょう。
研修カリキュラムと研修講師の紹介
カリキュラム例
- アンガーマネジメント研修
怒りの理解と認識
- 怒りやイライラの感情のメカニズムの解説
- 個人の怒りのトリガーや反応パターンの分析
- 怒りの身体的、心理的なサインの認識
- ストレス管理とリラクゼーション技法
ストレスの原因と影響についての理解
- リラクゼーション技法(深呼吸、プログレッシブ・マッスル・リラクゼーションなど)の実践と効果
- ストレスを軽減するための日常生活の改善
怒りを適切に対処するための具体的な技術や戦略の紹介
- 怒りが高まった際のタイムアウトやポーズの活用方法
- 怒りを和らげる思考パターンの再構築
- コミュニケーションスキルの向上
建設的なコミュニケーションの重要性についての説明
- アクティブリスニングやフィードバックの技法の習得
- コミュニケーションの障害や解決策についてのグループディスカッション
- I(アイ)メッセージで伝える
- ケーススタディとロールプレイ
実際のケースを通じて怒りやイライラの発生と解決策を考察
- ロールプレイを通じたシミュレーションとフィードバックの実施
- 継続的な実践とフォローアップ
参加者が研修で学んだ技術を日常生活や職場で実践する方法の提案
- フォローアップセッションや個別の相談の提供
研修講師の紹介
お申込みから研修までの流れ
お問い合わせ、資料請求
お問い合わせ・資料請求は、電話、Webフォーム、メール等で承ります。まずはお気軽にご連絡ください
ヒアリング訪問
お問い合わせいただいたご担当の方へ、対面もしくはお電話で、お問い合わせいただいた背景や目的などをお伺いいたします。その上で、貴社のご要望や課題に沿った研修コンテンツを作成いたします。
コンテンツ作成、企画書の提案
ヒヤリング内容を基に、弊社で企画書を作成いたします。企画書は、現状の課題、企画の目的(ゴール)、スケジュール、コンテンツ内容、講師、見積費用などを含んだ内容で提出いたします。
ご契約
企画書の内容でご納得いただき、実施日、講師が確定しましたら、ご契約の手続きに進みます。申込書の受領を持って契約完了となります。
研修実施
企画書の内容を骨子に、実施前までに講師と打ち合わせを行い、研修を実施いたします。
アンガーマネジメント研修でよくある質問と回答
アンガーマネジメントでは、怒りをコントロールすることが重要なのですか?
「アンガーマネジメントは怒りをコントロールし、怒らないようにすること」だと勘違いされることがありますが、実はそうではありません。 「怒りをコントロールする」のではなく「怒りとうまく付き合い、マネジメントする」というのがアンガーマネジメントの考え方です。
ここの解釈を誤ると、逆に感情を抑圧してストレスを溜めてしまう、といったことにもなりかねません。アンガーマネジメントは、怒りの感情を「他人に迷惑をかけない形でどのように発散していくか?」にフォーカスします。
「アンガーマネジメントが効かない」「アンガーマネジメントは意味がない」という話も聞きますが、本当でしょうか?
「アンガーマネジメントが効かない」または「アンガーマネジメントは意味がない」といわれる理由として多いのは、アンガーマネジメントに対する誤解や、実践方法が誤っていることなどです。
よく挙げられるのが、アンガーマネジメントの効果が「怒りの感情をなくすこと」だとする誤解です。
まず、アンガーマネジメントを実践しても、怒りの感情そのものをなくすことはできません。なぜなら、怒りの感情というのは、私達人間に備わっている一種の「生理反応」だからです。生理反応である感情をなくす、感じないようにすることは、アンガーマネジメントでは実現できませんし、むろん目的ではありません。
アンガーマネジメントで実現できるのは、怒りという感情の「マネジメント」です。アンガーマネジメントでは、怒りの感情そのものを否定しません。「怒りの感情は生じるもの」ということを前提に置いたうえで、怒りと上手に付き合う、怒りをマネジメントする方法を学ぶのがアンガーマネジメントだということです。
職場などで怒りの感情が湧いてしまったら、どうすると良いでしょうか?
怒りの感情は、実は長続きしないものであり、一般的に、怒りは「6秒」でピークに達するといわれています。したがって、怒りを感じたときは、この6秒間をやり過ごせば、怒りのエネルギーも軽減できるというわけです。
自分のなかで怒りの感情が湧いたら、まずは「1、2、3、4、5、6……」とゆっくり数字を数えましょう。怒りによって数字を数える余裕がない場合は、即座に手の平を閉じたり開いたりしながら、時間が経つのを待つ方法もおススメです。
もしどう頑張っても6秒待てないほどの怒りが生じたり、6秒経っても怒りが収まらないときなどは、一時的に今の場所を離れる「タイムアウト」も一つの手です。相手との対話中に今の場所を離れることに対して「逃げ」や「失礼」と感じる人もいるかもしれません。
ですが、噴出した怒りで冷静な議論やコミュニケーションを取れず人間関係を壊してしまうリスクを考えれば、いったんタイムアウトして今の場所を離れることは有効な選択肢になるでしょう。
アンガーマネジメント研修で学んだことを職場で実践して、期待通りに行かなかった時はどうすればいいでしょうか?
「アンガーマネジメント研修で学んだ手法を理解した上で、職場で実践したものの、期待したような効果が実感できなかった」というケースも確かにあるので、このことで、「アンガーマネジメントは意味がない」と思う人もいるかもしれません。
アンガーマネジメントを実践できるようになるには、一度の実践だけでなく、反復してトレーニングする必要があります。最初はうまくいかなくても、くり返しトレーニングをしながら、自分に合ったやり方をつかんでいくことで、少しずつ身に付けていくことが大切です。
また、先ほどのQ&Aで紹介した、“怒りを感じてから6秒待つ”というのは、アンガーマネジメントの代表的な手法の1つではありますが、この手法が合わない人もいます。アンガーマネジメントのやり方には、他にもいくつかあるため、反復トレーニングと併せて、いくつかやり方を試しながら、自分にあった手法を取り入れることもポイントです。