- 「人を動かす」デール・カーネギー研修
ライフネット生命保険株式会社
本社所在地 | 東京都千代田区 |
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設立 | 2006年 |
従業員数 | 208名(2023年3月時点) |
業種 | 生命保険業 |
事業内容 | 生命保険・医療保険等の提案・販売 |
HP | https://www.lifenet-seimei.co.jp/ |
特に「人を動かす」の内容が参考になりました。研修で学んだことを実践し、プロジェクトのキックオフから2カ月目ぐらいに変化が起こり、徐々になかなか発言がなかった方からの発言も増え、積極的に意見を言ってもらえるようになりました。
これまでの自分を変える講習内容
「人を動かす」デール・カーネギー研修に参加した経緯を教えてください。
片田様:
当社では、200名を超える多様なスキル・経験を持つ社員が働いています。9割を中途採用の社員が占め、それぞれの部門・チームの人数も限られている中で、社員を管理職に登用する際に課題になるのが、事前にマネジメント経験をOJTの中で積むのが難しいことです。
特に当社では、比較的経験の浅い社員を抜擢して登用することを意識的に行っていますが、その場合、1担当者としての成功体験を一度手離して後進を育成すること、自らは目線を上げて管理職としての役割を担うこと、が必要です。その切り替えが、なかなか難しい方もいる状況でした。
そうした課題を抱え、社員が管理職にステップアップするための解決策を探していたところ、今回の研修に出会うことができました。
野口様:
研修の話を頂いたとき、積極的に手を挙げさせていただきました。というのも、私は2022年8月に中途採用で入社し、シニアエキスパートという実務の実行と部門長サポートをする役割を担っていたのですが、まだ不慣れな中で、最短ペースで新たなプロジェクトのマネージャーに任命されていました。
大変やりがいのあるポジションを任されたと思う反面、これまでリーダーシップ研修などを受ける機会がなく、前職でもマネージャー職で苦労した記憶もありました。
片田の言うように、やはり今までの経験では心もとないと感じていたのです。しかもプロジェクトには通常2年の期間が必要なところ、1年で仕上げるという内容でしたから、その不安を払拭するにはこの研修こそがチャンスだと考えました。
木田様:
私はマネージャー職に就いたばかりで、部下との対応の仕方など、何をしていくべきか考えていたところに、担当役員から「受けてみないか」と言われたことがきっかけでした。
私自身は所属部門の社員数がまだ5人ほどの時から在籍しているのですが、コロナ禍により急激に業務が増え、50人規模のチームとなり、急な環境の変化や人員管理に戸惑いやストレスを抱え、仕事をどこからどう手を付けたらいいのか悩んでいたところに今回のお話しをいただきました。
片田様:
日々仕事をしている中で、受講するには、時間や労力がかなり必要な研修でしたから、受講者本人が課題感をしっかり持ち、解決に向けてしっかりモチベーションを持っている人に受けてもらいたいと思っていました。最終的に役員が検討し、適任の2名を送り出せたと思っています。
研修が始まった当初の印象はいかがでしたか?
片田様:
カーネギーの「人を動かす」「道は開ける」などは聞いたことはありましたし、実際手に取って読んだこともあります。そうした意味では多くの人がすでに知っている定番のものであり、古典的なものでもありますよね?それらを使ってどこまでできるのか、受講前と後でどう変わってくるのか、正直最初は半信半疑でした。
野口様:
受けてみると、「もっと早く受けていたかった」という印象でした。私がこれまで後輩や部下に対し、いかに「なんちゃってリーダー」だったかを知りました。きちんと研修を受けていなかったので自分なりの癖のようなものができてしまい、コミュニケーションでも「こうあるべき」というのを偏って定着させていたのです。
つまり、心理的安定性を求めて指示の仕方などが自己流になり、会社の方針の範囲内でしか彼らの意見を聞くことができていませんでした。相手の良さを見つけるよりも会社の軸が中心となり、その軸に役に立つ能力か否かを判断基準にしていたのです。
ただ、研修が始まったときにはプロジェクトもスタートしており、毎日のように研修で学んだことを実践できる場があったのはラッキーでした。
木田様:
私はこれまで社内での事務作業が業務の中心でしたので、人の前に出てプレゼンすることに慣れておらず、恥ずかしさもあって自分のことで精一杯でした。反面、研修でそうした殻を破るためのいい機会になるのではという期待感がありました。
原則を守ることで変化が訪れる
研修で学んだ内容でどのような効果がありましたか?
野口様:
特に「人を動かす」の内容が参考になりました。プロジェクトには20名以上が参加しており、積極的に発言をすることが得意な方もいれば、そうでない方もいます。研修で学んだことを実践し、プロジェクトのキックオフから2カ月目ぐらいに変化が起こり、徐々になかなか発言がなかった方からの発言も増え、積極的に意見を言ってもらえるようになりました。
また、「予定の5分前に会議を終わらせる」というのも、自分や周囲のストレスを減らすために有効でした。プロジェクトでは会議が多かったので、決められた中でパフォーマンスをするために効果を感じることもできました。
「人を動かす30の原則」の中では特に、議論を避けて争わず、相手の立場に立って意見を聞くことや、褒めることなどがプロジェクトリーダーとして参考になりました。20名もの各部署のプロが集結しているので、皆に教えてもらいながら進めていくスタイルを徹底したところ、プロジェクトは順調に進んでいます。
木田様:
私の場合は効果というか、会社の中でいかに自分の居心地の良いと思っていた場所が狭かったかということに気づきがありました。お話しした通り、人前で話すことが苦手であり、それまでは社内ミーティングやチームのセッションに対する苦手意識がありましたが、研修でそうした抵抗はだいぶなくなりました。
何より人の話を聞こうと、関心を向けられるようになったことが大きな変化です。それまでは、例えば、1対1で話すときに、「話すことがなくなったらどうしよう」と考えていましたが、むしろその人を知る機会だと話せるようになり、不安は払拭されていきました。
その点では、特に「道は開ける」が勉強になり、課題に対して前向きになったり、ストレスに対応できるようになったりして、仕事のことで「ああすればよかった」と悩まなくなりましたね(笑)。もちろんまだ完全ではないので、研修の資料は日々読み返しています。
野口様:
私もよく30原則は読み返しています。30原則はプロジェクトでのタスク管理にちょうどよく、「不平不満を言わないこと」などのようなものや、先ほどの積極的に発言することが得意ではない方に対しては「○○さんだからこそ」といった言い方で、これまで彼らがやってきたことの重要性や使命感を感じてもらうようにコミュニケーションをとるものなどが役に立ちました。
一方、うまくいかなかったときは家に帰って本を読み返し、次はいつもと違う原則を活用してみるようにしています。状況と人によって使い分けできるのがいいですね。
印象に残る研修はありましたか?
木田様:
どれも勉強になることばかりでした(笑)。先ほど述べた通り、前向きな考え方をできるようになり、最悪なことを考えても「最悪でもこのくらいか」と思えるようになりました。
学んだことをチームにフィードバックするには、「人を動かす」を活用しました。言い方・伝え方や説明の仕方に気を付け、一緒に働く人をより大切に考えられるようになりました。周囲(部下など)への捉え方についても、従わせたり競わせたりするのではなく、まずは協力し合い、人間関係を強めることに注力するようになりました。
まだそれに対する周囲の反応などに実感はないので、繰り返し続けていくことが大切だと思います。
野口様:
風船を使った研修で、最初に膨らます作業が一番大変で重要だということ、さらに寸劇を行って自分の殻を破るような研修は印象的でしたね。
私自身は大学の教育学部で学んでいたので、小学生相手にそうしたことをやっていた経験があり抵抗感はなかったのですが、研修はリモートにより在宅で行っていたので、演技をしているときなどは家族の目は少々気になりました(笑)。
片田様:
時間的コストがかかり、気軽には受けられない内容だとは伺っていましたが、2人からは全く不満のようなものがなく、むしろ受けてよかったという声が聞けて良かったと思っています。努力に見合ったものは返ってきたのではないでしょうか。
今後マネジメントにどのように活かされていくのはまだわかりませんが、それはこれから発揮されるものだと感じています。また日常業務でも応用できそうですね。会社としては今後も受講者を増やしていきたいので、そのためのエビデンスを作り上げてもらいたいです。
研修での出会いが今と未来を創る
学んだことを組織でどう生かしていきたいですか?
野口様:
プロジェクトに関しては、リーダーシップを発揮しつつも皆で取り組んでいき、成功に導いていきたいと思います。そして、これを成功体験として、社内で同じ考え方が浸透しやすいように、他の方にもどんどん受講していってほしいです。
木田様:
チーム内という狭い視野から、違うチームともコミュニケーションを円滑にとれるようになり、今後も人間関係を広く構築できるよう、まずは信頼関係を大事にしたいと思います。それにはまず協力し合い、業務の中で積極的に話し合うことで人を動かせるようになっていきたいと思います。
野口様:
様々な業種の、全国各地の方が一同に集まり、共に学ぶことができるのはまたとない貴重な経験です。参加された皆様のモチベーションも高く、前向きに受講されている姿は刺激になり、回を重ねるごとに変化している様子を見て、自分も変化したいと努力することができました。周囲に成長させて頂いたのが、正直な感想です。
受講した同じグループ内での関係は良好で、メーリングリストを作成して今も毎週報告し合っています。ぜひ1年後とか、成果を報告し合ってみたいですね。トレーニングは今も続いているような感覚です。