営┃業┃革┃新┃の┃急┃所┃
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◆第19号◆
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大変遅くなってしまいましたが、新年明けましておめでとうございます。
株式会社ジェイック 社長の佐藤です。
情報化社会、知価革命・・現在の社会、経済を形容する言葉はいろいろあります。
要は、大量生産の工業化社会から、次の時代に移り変わったということと私は理
解しています。 そういう環境下で、企業の勝ち残る条件、成功する条件も以前と
大いに変わってきています。 これからの企業の成功を約束してくれるのは、明ら
かに人財のレベルです。
今までの右肩上がりの経済では、皆と同じことをやれば間違いはなかった・・
今は皆と違うことをやらないと生き残りも覚束ない。
だから、違いを出す・・差別化する・・そういう知恵やアイディアを出せる人財
の違いが、企業の成長や成功に直結します。一人の営業マン、一人の幹部社員が、
業績や、戦略や、組織風土や、そして会社全体までも変えてしまうのです。
ですから、私は教育についても、採用についても、「絞込みと集中」がキーワード
だと思っています。
ある社長から聞いた話です。
「佐藤さん、ゴルフやるの?」と聞かれましたので「ぼちぼちです」と答えたと
ころ「それじゃ、上手くならないな」と言われました。
その社長曰く・・
「月1回のゴルフ、それで練習しない、研究しない・・そういうゴルファーは上
達しないんだよ。10年やってもダメだね。月1回のゴルフを10年続けると、
合計何回ラウンドする?そう、120回。120回やっても、多分スコアは100
を切らないね。だけど、120回のゴルフを1年に凝縮して取組んだらどうなると
思う?年に120回グリーンに出るということは、3日に1回だよね。これは絶対
に上手くなる。20代でそういう経験をしたら、シングルになれると思うよ。」
私が感心していると、畳み掛けるように・・
「教育も一緒さ。短い期間に、徹底して、集中して、テーマを持って取組んだら、
絶対成果が出る。中途半端が一番いけないね。」
私は、この社長の言葉を今も噛みしめています。ですから、
・社員教育は、伸びる人材を徹底的に教育する・・これでもか、という位に集中し
て、教育の場を与える。
・今年は、社員教育の年だ・・と決めたならば、予算と時間を思い切って割いて、
社員に教育のシャワーを浴びさせる。
・工場長を採用する、営業部長をスカウトする・・そういうコア人材の採用には、
社長が面接に最大の力を入れて取組む。 というように「教育」も「採用」も、集中して取組むことが
成功のポイントだと思うのです。
新年に当たっては、今年度の社員教育や中途採用について、様々な計画を立ててお
られると思います。
是非、テーマを決めて、集中して、徹底して、取組まれることをお奨め致します。
本年も宜しくお願い申し上げます。
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■■■■■■ 今回のテーマ ■■■■■■
「現場を見るべし!」
執筆:ジェイック営業コンサルタント 林丈司(はやし じょうじ)
hayashi@jaic-g.com
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三月のある晴れた日、森の中で自殺と思われる死体が発見された。
ベテラン刑事と若手刑事が、再度現場に足を運んだときの会話。
ベテラン刑事「やはりこれは・・・コロシ・・・だな。」
若手刑事「えっ!?」
ベテラン刑事「他殺だ、と言ったんだ」
若手刑事「し、しかし、死体を発見したときの状況は・・・」
ベテラン刑事「あの杉の木の枝に登山用のロープが結んであって、そこに
ホトケがぶらさがっていたんだよな」
若手刑事「そ、そうです。で、その下には簡易ハシゴが転がっていた。
すぐそこの道路には、ホトケ所有の車が停まっていて、遺書が
置いてあった・・・。死亡推定時刻は、三月十日正午前後です。」
ベテラン刑事「どこにもコロシを裏付けるものはない・・・か?」
若手刑事「え、ええ・・・」
ベテラン刑事「検視の結果、ホトケはひどい皮膚炎だった、とのことだよな」
若手刑事「そうみたいですね。・・・でも、それが何か?」
ベテラン刑事「まだ気付かないのか・・・?(ニヤリ)」
(最下段に続く)
こんにちは。
いかがお過ごしですか?
いきなりですが、今回は、死体が発見された現場に再度足を運んだ
ベテラン刑事と若手刑事の会話から始まりました。
一応推理モノになっているので、
最下段にはベテラン刑事の推理を載せておきます。
今回は
「現場を見るべし!」
というテーマで書いているのですが、
刑事の世界にも
「現場百篇」
という古い教訓があるそうです。
言うまでもなく、犯行の手がかりがつかむためには、
犯行現場に何度も足を運べ、という意味ですよね。
「現場百篇」
は、営業マンにも当てはまると思うのです。
では、本題に入りましょう。
■営業マンは“ナマの情報”を持つべきだ
これまで私は、相手を説得する力・納得させる力が高い営業マンと
そうでない営業マンにたくさん会ってきました。
その力の差は、いくつかの要因で生じています。
論理性や単に伝えるテクニックの問題もありますが、
根本の原因は「持っているナマ情報の差」であると言えます。
営業マンにとっての情報は“ナマ”であることが重要です。
“ナマじゃない情報”は相手から納得を引き出すためには
あまり有効ではないからです。
■例えばこんなナマ情報
ある会社を想定してみましょう。
A社は、ある製造設備を製造業に販売しています。
A社のトップセールスマンであるB君は、
先方の設備部長(C部長)に以下のような提案をします。
B君「わが社で扱っているこの設備は、以上のような点から、必ず御
社製造部に生産性の向上と作業者の方々の労働環境の改善をご
提供します。この点について部長の印象はいかがでしょうか?」
C部長「まぁ、他社ではそういう事例もあるようだね。ウチの場合、
事情が違うので、その通りにいくかどうかわからんなぁ」
B君「確かに御社の場合、製造ラインも工程も全く違いますからね」
C部長「そうなんだよ。まぁ、この設備は検討してみるよ」
B君「ありがとうございます!ところで、ご提案があるのですが・・・」
C部長「なんだね?」
B君「実際に、先ほど私が申し上げたようなメリットを御社にご提供
できるかどうか、それを調べさせていただきたいのです。その上
で、本格的なご提案書を提出させていただきたいのです」
C部長「ほう・・・」
B君「御社の製造ラインについて、時間当たりの製造スピード、作業
者の方々の作業内容、設備の起動時間、アクシデントによる1日
あたりのライン停止回数と時間、作業者の方々の作業後の疲労
度、また熟練度などです。全て調べるわけではありませんが、
こういった情報をもとに、きちんとご提案したいのです。」
C部長「う〜ん・・・」
B君「ダメでしょうか?」
C部長「工場には部外者は入ってはいけないことになっているんだよ。
残念だけど、許可はできないね」
B君「そうですか。では、皆さん、お昼休みに社員食堂でお食事をしま
すよね。その際、何人かの方に話を聞きたいのですが、それだっ
たらいかがでしょうか?」
C部長「・・・まぁ、それならいいかな。製造課長でいいかな」
B君「はい!ありがとうございます!。お話を聞きたいのは、製造課長
様だけでなく、製造の最終工程に携わっている社員の方2名とパー
トの方です。パートの方は、昼食をとられているときに、一緒に
お食事をさせてもらいながらお話を伺います。あ、もちろん昼食
代は自分で払いますよ」
C部長「あはは、食券くらい私があげるよ。しかし熱心だね」
B君「ありがとうございます。必ず御社にメリットをご提供できる、と
自信を持っているからここまで申し上げるのです。では、日取り
ですが・・・」
この結果、B君は見込み顧客の“ナマ情報”を入手することができます。
このナマ情報は、
製造現場から収集した生きた情報であるが故、
彼の営業上、有効である可能性があります。
またA君は、より生々しい情報を入手するために、製造課長だけでなく、
パートを含む従業員からも話を聞こうとしています。
このことで、ひょっとしたら
設備部長が知らない情報
まで入手でき、
それが今後の営業展開を左右するかもしれません。
■ナマ情報は全て現場に存在する
ここで言っている“ナマ情報”とは、
営業マンが直に目で見て耳で聞いた情報
のことです。
直に収集した情報には、誰かのフィルターが入っていません。
従って、その情報のニュアンス、背景、事情なども含め、
正確に把握することができます。
そして、
このニュアンス等が、営業活動に極めて重要
となります。
ナマ情報には、例えば以下のようなものがあります。
●ナマ情報の例
○愛顧客から
▼当社の商品の気に入っている点、気に入らない点
▼顧客は購入するときにどんなことを調べたか
▼誰から意見を聞いたか
▼どんな使い方をしているか
○市場の声
▼対象ターゲットはどんなことを気にかけているか
▼対象地域のターゲットはどんな傾向があるか
▼競合商品を購入した人たちは、どんな感想を持っているか
○商品の開発担当者、製造現場作業者から
▼商品開発にあたりどんな失敗・苦労をしたか
▼なぜその商品を開発しようと思ったか
▼製造する上で、苦労することは何か
▼品質をあげるためにどんな工夫をしているか
○見込み客から
▼その商品やサービスを使う部門・人は何を考えているか
▼その人たちは具体的にどんなことに困っているか
▼或いは、具体的にどんなことにメリットを感じるか
○競合他社から
▼競合の営業マンはどんな営業方法をとっているか
▼競合他社はどんなパンフレットを使い、何を訴求しているか
皆さんは、もうお解かりだと思いますが、
本メルマガでは、上記の
ナマ情報
が発生するところ全てを、
「現場」
と表現しているのです。
こういった現場に足を運び、
ナマ情報
を収集することで、
より効果の高い提案内容、営業の組み立てを考える
ことができるのです。
(冒頭からの続き)
ベテラン刑事「気になったんで、今朝ホトケの恋人に確認しておいたんだが
な、ホトケはひどい花粉症だった、ということなんだ。皮膚
炎ができるほどの、な・・・」
若手刑事「ひどい花粉症・・・ですか。それが何か?・・・」
ベテラン刑事「周囲をよく見てみろ」
若手刑事「・・・・・杉林・・・あっ!!!」
ベテラン刑事「重度の花粉症の人間が、今の時期、花粉が嵐のように舞う
こんな場所に自殺に来るか?」
若手刑事「そ、そうか!」
ベテラン刑事「ホトケの交友関係をもう一度洗いなおすぞ!」
若手刑事「はいっ!」
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次回は、
「注意!ルーチンセールス」
というテーマでお送りいたします。
お楽しみに。
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発行:株式会社ジェイック
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