「人間力」を軸に研修内容を構築
「7つの習慣®」ディスカバリー研修(通称PRO研修)導入のきっかけについて教えてください。
笹本様:
きっかけは今年(2024年)4月、当社の人事制度・評価制度が変わったことです。
以前は、新任管理職向けと管理職候補者向けの研修はあったものの、既存管理職を対象にした研修は行っていませんでした。そうした背景もあり、全体の研修体系を構築しようと考えていたところに、人事制度の改編が行われたので、そこに合わせた内容に研修体系も刷新することにしました。
新しい評価制度では、「人間力」という評価項目が加わりました。しかし、一人ひとりの「人間力」は簡単に測れるものではありません。そこで、実際にどういう人材を会社が求めているのか、評価項目だけでは伝わりにくい部分を補完できるような研修を探していました。
ジェイックのことは、人事企画グループの社員が社外のある研修に参加した際に、受講者としてジェイックの方も参加されていたことをきっかけに知りました。打ち合わせの中で、様々な研修を紹介していただきました。その中でも、「7つの習慣®」のプログラムが当社の求めている「人間力」と近しく、研修内容も我々の求めるものに合致していたことが導入を後押ししました。
岡田様:
改定前の人事制度は、極端に言うと「目標を達成できたかどうか」のみが評価対象でした。しかし、社員の仕事ぶりを本当に評価するためには、人としてどう成長し、どのように目標を達成したのかを知ることも大切です。当社は形のある製品を売る会社ではありません。その分、人の気持ちに寄り添ったサービスをいかにつくりあげるかということが大切であり、それを実現するためには「人間力」が不可欠になります。
当社において、数字上の成果だけではなく、「どういう人間に成長しているか」を判断するための指標が「人間力」なのです。
研修内容はどのように決まっていきましたか?
笹本様:
これまで当社の研修はすべて内製で行っていました。そのため、外部の会社から研修を導入する上では、分からないことばかりでした。しかし、研修の軸として、評価制度が変わったことをポイントとして、「なぜ変えたのか」「変えることで何を期待しているか」などのメッセージを社員へ適切に伝えられる研修にしたいという狙いはありました。
繰り返しになりますが、目標達成だけを注力する評価制度では、ときに組織崩壊やハラスメントなどの課題が生じることもあります。「なぜ人事評価を変えるのか」という思いが伝わる研修を目指し、一から作り上げていきました。
ジェイックの担当者には何度も足を運んでもらい打ち合わせました。その中で、「7つの習慣®」の内容と当社の目指す「人間力」は合致する部分が大きいことが改めて分かり、具体的な研修内容もどんどん決まっていきました。
学んだことが周囲を変えていく
研修を通じて、社員にどのような姿になってほしいと期待していましたか?
岡田様:
研修を実施する前は、社員のモチベーションに個人間で大きな差がありました。そうした中で、今回の研修は、管理職になる前段階であるO3等級の社員(管理職候補~ベテラン層)に対して実施して、モチベーションの差の解消を目指すものでした。
笹本様:
今回研修を受けた、O3等級の、今後管理職のポジションに就くことを期待されている社員たちには、学んだことを配属先に持ち帰り、向上心をもって周囲へ働きかけてほしいと思っています。
研修の印象について教えて下さい。
岡田様:
対象の社員たちは、想像していたよりも楽しく受講できたようです。講師の方が素晴らしかったので、テンポ良く、退屈することもなく、大いに学びを得ていました。
また、研修前にKakedas(*ジェイックグループの提供する社外1on1/キャリア面談サービス)を利用したことも良かったと思います。普段の仕事では、コミュニケーション相手はごく少数のチームメンバーに限られる中で、外部の方と面談をするという初めての試みがどこまで効果的か分かりませんでした。実際やってみると、多くの社員が思った以上に積極的に話をして、自分の考えを整理した上で、今回の研修を取り組めたのではないかと思います。
笹本様:
当初、弊社の社員は外部のキャリアコンサルタントと話すことは好まないのではと心配していましたが、フィードバックを見ても前向きな話が多く、よかったと思います。研修でも対話の機会が多くあり、参加者は楽しそうでした。アンケートも好評だったのでやってよかったと感じています。
一人の変化が周囲の変化にもつながる
全2回の研修で、社員にどのような変化がありましたか?
岡田様:
まだ受講者の上長などから詳しくヒアリングはできていないのですが、1回目と2回目の1か月の間に、「受講した社員が教わったことを実践していた」という話は届いています。受講して、業務に対する気づきを得て、業務を見直したり今後どうしようかと考えたりしているようです。
笹本様:
1回目を受けて1か月経ち、家族から「どうしたの?」と言われるほど変化があったなどの実践報告もたくさんありました。研修で言われたことを実践してみたら、身近な部下が変わったという話もあり、本人の接し方が変わることで周囲も変化していったようです。
岡田様:
最初は同じ会社ながら、知らない同士でグループを組んだことで緊張もありましたが、2回目は、1回目よりは緊張感が薄らいでいました。
笹本様:
そもそも研修に慣れていないので、緊張することは当然なのかもしれません。ただ、研修前にKakedasを利用したことで、初日もさほど抵抗なく研修に入っていけた印象があります。岡田の言う通り、1か月経った2日目は、「どうも!久しぶり!」というような雰囲気のよさもありました。講義内容もリーダーシップについてなど、業務に直結するテーマだったということもあり、取り組みやすかったのではないかと思います。
研修内容で印象に残ったことは?
岡田様:
これまで内製で実施していた研修は講師が一方的に話をするものが多かったですが、ジェイックの研修はこれまでのスタイルと全く異なり、グループワークなどが多く盛り込まれていたので、新鮮さを感じました。社員も楽しく受講できて理解しやすかったと思いますし、研修そのもののイメージも変化しました。
笹本様:
講師の進め方も、たとえば、最初の自己紹介では、発表順を「誕生日が今日に近い人」と手を挙げておいてもらいながら、その人ではなく隣の人に話してもらうなど、興味深かったです。中には私自身が新入社員教育を行うときに生かせそうなものもあり、テクニックを盗みたいと思いました。
研修での成果を、今後の人材育成でどう生かしたいですか?
岡田様:
今後も階層ごとに適した研修を導入し、立場に応じた社員育成に役立てていきたいと思います。それぞれの立場を自分自身でまず理解してもらい、自分で今後のキャリアプランを考えられるようにしていければと思います。
立場に適した研修を会社は用意し、サポートしていきますが、研修でどんな気づきを得て、どう動くかは本人次第です。与えられたものを、いかに効率よく活用できるかは本人のモチベーションに関わる部分が大きいと思います。提供した機会を活用できない社員がいなくなるように、今後も人事は動いていかなければなりません。
そうした点でジェイックの研修は柔軟であり、研修後には毎回振り返りをしてくださり、「今回こうだったから、次回はこうしよう」と、チェンジ、カスタマイズできるのが素晴らしく、そこが他社との大きな違いだと思います。
笹本様:
今回の研修は成果を感じられていますので、導入した内容を次につなげていきたいです。上位階層にも広げていき、まずは「人間力」について自身に必要な考え方・スキルを習得してもらい、そのあと「マネジメントスキル」の習得にも移行できたらと思います。
今回の研修アンケートで、「今回の研修を自分の周囲で受けてもらいたい人は?」と問いかけたところ、受講者の部下や後輩だけでなく、自分より上位階層や管理職の名前も出ていた点は興味深いと思いました。マネジメント層も未熟な部分があるということですし、研修を一つの手段として、会社からのメッセージとして「人間力」の醸成を早期に実現していきたいです。
これから研修を考える会社様にメッセージはありますか?
岡田様:
今回の研修で印象的だったのが、講師の方の「性格は変えられないが、行動は変えられる」という言葉でした。ぜひ研修を受けて、その価値を実感してもらえたらと思います。仕事をしていれば、誰しもつらいことがあり、へこむこともあるでしょう。そんなときにも、行動を変えて頑張っていこうと自分を鼓舞することができます。
笹本様:
初めて外部から導入した研修ということもあり、事務局としては失敗が多くありました。例えば事前周知が徹底しきれず、研修当日も何のために呼ばれたか理解できていない社員もおり、ジェイックの皆さんにも迷惑をかけてしまったかと思います。
しかしそんな時も講師の方がうまくカスタマイズして、事前に予定していなかった内容説明を加えてくれて、乗り切ることができました。人事と共に考え、成長させてくれる会社だと思いますので安心して相談してみてください。