アサーティブコミュニケーション研修は、管理職や上司、組織に所属する多種多様な人と風通しの良い人間関係を積極的に築いていくことを目的としています。その為に必要となる、「相手を尊重しながら自分の主張を伝えるコミュニケーション」をロールプレイングによって徹底的に習得します。研修中に練習して終わりではなく、実践的かつ現場で使えるプログラムです。
アサーティブコミュニケーションとは
アサーティブコミュニケーションとは、自分の意見や要望を相手のことを尊重しながら、適切に伝えるコミュニケーションスキルのことであり、積極的でありつつ攻撃的ではなく、受け身でもないというバランスの取れたコミュニケーションスタイルのことを指します。
アサーティブ | 攻撃的 | 受動的 | |
発言・意見 | 自分も相手も尊重 お互いに意見を言う | 自分の意見を主張する 相手の意見は聞かない | 自分の意見を言わない 相手の意見を受け入れる |
会話 | 平等に接する 相手によって態度を変えない | 相手を言い負かす 自分の言い分を通す 話の腰を折る | 返事だけする |
表現 | ポジティブな表現 アドバイスが的確 確認や質問を適切に行える | ネガティブな表現 批判的 感情的 | 曖昧な表現 謝罪が多い 相手の顔色をうかがう 意思決定できない |
自分の意見を飲み込むことなく、かといって強い主張を押し通すわけではなく、相手意見や感情を尊重しながら、自分の考えや感情を正直かつ明確に伝えるコミュニケーションです。 アサーティブコミュニケーションを身につけるとビジネスシーンでも以下のようなメリットがあります。
- 感情をコントロールし、冷静さを保つことで、課題・問題解決に繋がりやすい
- 感情的な反応を避け、建設的な対話ができるようになる
- オープンで建設的な対話、チーム協力などにより社内でのコミュニケーションが活性化する
- 一人一人が自分のアイデアや視点を適切に伝えられるようになることで、組織の力を強化できる
- 感情を抑え込むことなく、負の感情を適切に表現できるため、ストレス軽減に役立ち、メンタルを健康に保てる
アサーティブコミュニケーションを身につけることで、自己表現や自己主張ができるようになると、職場でのコミュニケーションが円滑になります。また、ストレスやトラブルを減らすことができ、生産性を向上させることができます。
主な研修の対象:部下とのコミュニケーションを重視する管理職
- 本音が見えず、お互いに本音を言えていない
- 言いたいこと、言うべきことが上手く言えない
- 仕事を依頼したいが、どうしても遠慮してしまう
- なるべくモチベーションを下げずに伝えたい
- つい感情的になってしまうので、萎縮させないよう指導したい
部下の本音が見えず表面的なコミュニケーションになってしまっているということはありませんか?
アサーティブコミュニケーション研修を受講し、アサーティブな伝え方を身につけることで、普段から円滑なコミュニケーションが取れるようになります。
アサーティブコミュニケーション研修の目的
感情に左右されず、円滑なコミュニケーションを保つ
アサーティブコミュニケーション研修の目的は、アサーティブコミュニケーションとは何か、その考え方を理解し、具体的なスキルを身につけることで、感情に左右されず、円滑なコミュニケーションができるようになることにあります。
感情的な反応を抑え、冷静に自己表現できる能力を養うことで、冷静かつ効果的なコミュニケーションが身につきます。反応的にならず、感情に左右されない円滑なコミュニケーションをすることで、部下との信頼関係を築きます。
職場でのコミュニケーションを円滑に保ち、ストレスやトラブルを減らすことで、職場の生産性を向上にも繋がります。
部下に対して言いづらいことをしっかりと伝える
部下の気持ちや意見を尊重しながら、自分の考えや要望を伝えることができるようになると、部下は自分が尊重されていると感じ、部下との信頼関係が築けるようになります。 信頼関係が築けている状態で、求められていることを適切に伝えると、部下のモチベーションは上がり、協力意欲を高めて取り組んでくれるためスムーズにことが進みます。
また、部下は自分が尊重されているという気持ちから、自己表現や自己主張をしやすくなり、意見交換が活発に行えるようになります。これにより、部下のモチベーションが向上し、ストレスやトラブルが減り、生産性が向上します。
関係改善、コミュニケーションの円滑化、チームの協力強化が実現され、チーム目標の達成がより強力的に実現できます。
「アサーティブコミュニケーション研修」の特徴
自己のコミュニケーション表現3タイプを知る
自己表現には3つのタイプがあり、自分が普段から行っているコミュニケーションはどれに当てはまるかを確認していきます。
アグレッシブ
アグレッシブなコミュニケーションスタイルは、自分の意見や欲求を他人に押し付け、他者の権利や感情を無視する傾向があります。攻撃的なコミュニケーションを行うことで、周囲から非協力的で敵対的な反応を引き起こすことがあります。
例:「君は何も分かっていない。私のやり方に従え」
ノンアサーティブ(またはパッシブ)
ノンアサーティブなコミュニケーションスタイルは、自分の意見や感情を適切に表現することなく、他者の意見や要求に従うことが多い傾向があります。例え意見を持っていたとしても自己主張せず、他者から自分を守るという意識が強く、自ら表現を制限します。
例:「私の意見なんて大したことないし、あなたがそう思うならそれでいいです」
アサーティブ
アサーティブなコミュニケーションスタイルは、自己主張し、自分の意見や感情をはっきりと表現しつつ、他人の権利や感情を尊重します。他者に対して積極的でありながら決して攻撃的ではなく、受け身でもありません。
例:「この方法がより効果的だと思いますが、あなたの意見も尊重します。一緒に解決策を見つけましょう」
自分のコミュニケーションスタイルを認識することで、周囲に対してアグレッシブまたはノンアサーティブなコミュニケーションを取っていないか、を振り返ります。
自分を見つめなおし、どうしたらアサーティブなコミュニケーションが取れるようになるかを一緒に考えていきます。
アサーティブ・コミュニケーション4つの柱
アサーティブ・コミュニケーションには「率直・対等・誠実・自己責任」という4つの柱があり、これらはアサーティブなコミュニケーションスキルの核心原則を示しています。
率直
アサーティブなコミュニケーションは、遠回しに表現するのではなく、直接的に自分の考え、感情、要望を伝える能力を強調しています。率直さは、コミュニケーションの明瞭さと透明性を高め、誤解や混乱を減少させる役割を果たします。 自分の意見や感情を正直に伝えること、相手を欺かず、自分の本音を伝えることが大切です。
対等
対等性は、他者との対話やコミュニケーションにおいて相手を尊重し、対等な関係を築くという原則です。相手と自分を対等な立場として扱う、相手を尊重し、自分も尊重されることで信頼関係を築きます。
誠実
誠実さは、コミュニケーションにおいて正直・誠実であることを示します。自分の意見や感情を誤魔化すことなく誠実に伝え、相手にも真実を求めることで、信頼性を高めます。
自己責任
自己責任は、自分自身の行動と感情に対して責任を取ることを意味します。他者に責任を転嫁しないよう努力し、自分の意見や感情を伝えることができるようになることが大切です。
これらの柱を実践し、相手を尊重しながら自分の意見を伝えることが、アサーティブコミュニケーションの基本的な考え方です。
この基本的な考え方を学び、身につけることで人間関係を損なうことなく、円滑なコミュニケーションを取れるようになります。コミュニケーションが円滑になることで、職場の生産性も向上します。
アサーティブ・コミュニケーションDESC法
アサーティブ・コミュニケーションのDESC法は、アサーティブなコミュニケーションスキルを向上させるための4つの要素から成り立っています。
D(Describe)描写する
問題や状況、他者の行動などを客観的に描写します。感情や評価ではなく、具体的な事実や行動に焦点を当て、自分目線の憶測、感情を入れないことが大切です。
E(Express)説明する
描写した客観的事実について、自分の感情や意見を率直に表現します。今自分がどのように感じているか、何を思っているかを率直に伝えます。
S(SpecifyまたはSuggest)提案する
説明した客観的事実について、どうしてほしいかを具体的に提案します。相手に対して、どのような変更や行動を期待しているかを明確に、あくまでも「提案」として伝え、意見を押し付けたり強制したり、責めるような口調にならないよう意識して伝えます。
C(Choose)選択する
提案した事柄に対する相手からの返答を受けて、次にどうするかを選択します。相手に提案を受け入れてもらえなかった場合は代替案を用意しておくなど、柔軟に対応できるよう、複数の選択肢を用意しておくことが大切です。
DESC法は、コミュニケーションにおいて感情や要求を明確に伝えることができ、他者と対話を円滑に進めるのに役立ちます。
このアプローチを行うと、他者と衝突することなく、誤解を生むことのない、効果的なコミュニケーションを行うことができるようになります。
ロールプレイングを行いフィードバックし合うことで、スキルが身についているかを確認できる
実際の対話で直面するであろう挑戦や難しい状況を想定し、学んだスキルをうまく使えているか、相手との接し方は適切か、など、ロールプレイングを行うことで、アサーティブなコミュニケーションが取れているかを受講者同士でフィードバックし合います。
ロールプレイングを通して、実際のシチュエーションに近い状況でアサーティブコミュニケーションのスキルを練習することで、職場でも自信を持った対話が行えるようになります。
よくある質問
アサーティブコミュニケーション研修では何が学べますか?
主に3つ学べます。
・自己のコミュニケーションスタイルが3つの表現のうちどのタイプに当てはまり、極端に積極的だったり消極的になっていないかを確認し、適切なコミュニケーションスタイルを身につける
・人間関係を損なうことなく、円滑にコミュニケーションを取ることができる4つの原則を学ぶ
・日常的に起きる人間関係の問題について、感情を交えることなく客観視し、適切に伝えるためのDESC法を学ぶ
また、これらの学びの後に実際に現場で実践するためのロールプレイングを行います。受講者・講師からのフィードバックが受けられますので、客観的な意見を元に、自分のコミュニケーションスタイルを確実に見直していくことが可能です。
一度に研修を受けられる人数に制限はありますか?
1開催24名を目安にご検討ください。
対象は若手社員だけですか?
この研修自体は若手向けに特化していますが、他階層向けにカスタマイズも可能ですので、ご気軽にお問い合わせください!
リアルでの研修も実施できますか?
貴社のご状況に合わせて、リアルでの研修も実施可能です。こちらも是非、ご気軽にお問い合わせください!
サービスの流れ
お問い合わせ、資料請求
お問い合わせ・資料請求は、電話、Webフォーム、メール等で承ります。まずはお気軽にご連絡ください。
ヒアリング訪問
お問い合わせいただいたご担当の方へ、対面もしくはお電話で、お問い合わせいただいた背景や目的などをお伺いいたします。その上で、貴社のご要望や課題に沿った研修コンテンツを作成いたします。
コンテンツ作成、企画書の提案
ヒヤリング内容を基に、弊社で企画書を作成いたします。企画書は、現状の課題、企画の目的(ゴール)、スケジュール、コンテンツ内容、講師、見積費用などを含んだ内容で提出いたします。
ご契約
企画書の内容でご納得いただき、実施日(会場)、講師が確定しましたら、ご契約の手続きに進みます。申込書の受領を持って契約完了となります。
研修実施
企画書の内容を骨子に、実施前までに講師と打ち合わせを行い、研修を実施いたします。